ACL第3節のベストイレブン発表。鹿島の曽ヶ端らが選出。

AFCチャンピオンズリーグ2017の第3節におけるベストイレブンが16日、公式アカウントにて発表された。

選出されたのは以下の11名

GK 曽ヶ端準(37・鹿島アントラーズ/元日本代表)

DF ジョン・ドンホ(27・蔚山現代/元韓国代表)

DF 青山直晃(30・ムアントン・ユナイテッド/元U-22日本代表)

DF セリオ・サントス(29・ムアントン・ユナイテッド/ブラジル・東ティモール)

DF ペラパト・ノトチャイヤ(24・ ムアントン・ユナイテッド/タイ代表)

MF ロドリゴ・タバタ(36・アル・ラーヤン/カタール代表)

MF アブダラー・オタイフ(24・アル・ヒラル/サウジアラビア代表)

MF パウリーニョ(28・広州恒大/ブラジル代表)

MF ユン・イルロク(25・FCソウル/韓国代表)

FW メフディ・タレミ(24・ペルセポリス・テヘラン/イラン代表)

FW アリ・アル=ザクァン(25・アル・ファテー/サウジアラビア)

全11選手の内訳は西アジアから4選手、東アジアから7選手。鹿島アントラーズのGK曽ヶ端準、蔚山のジョン・ドンホ(元横浜F・マリノス)、ムアントン・ユナイテッドの青山直晃(元清水など)、日系3世のブラジル人だったアル・ラーヤンのMFロドリゴ・タバタら日本に縁のある選手が多く選ばれた。

MVPに選ばれたのはFCソウルのユン・イルロク。ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ戦では2-3と敗れたものの、2ゴールと孤軍奮闘。グループ最下位と低迷する名門を救えるか注目だ。

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メルボルン・ヴィクトリーの大エース、コソボ代表でのプレーを宣言

Aリーグのメルボルン・ヴィクトリーは23日、所属するアルバニア代表FWベサルト・ベリシャ(31)がコソボ代表として活動することを発表した。
実現すれば来月24日に行われるW杯予選アイスランド戦がデビュー戦となる。

ベリシャは一瞬の動き出しと類い稀な得点感覚が武器のストライカー。ドイツ・ブンデスリーガの名門ハンブルガーSVなどを経て、2011年にブリスベン・ロアーに加入。ブリスベンでは11-12シーズン得点王、リーグ王者など数々のタイトルを獲得し、メルボルン・ヴィクトリーへ移籍した2014年以降もチームのエースストライカーとしてゴールを量産していた。

代表レベルでは2006年からアルバニア代表として17試合に出場していたものの、2009年以降はプレーしていなかった。ベリシャは今年1月にルーツのあるコソボ代表でプレーしたい意向を表明。コソボはベリシャがアルバニア代表を選択した2006年にはFIFAに加盟しておらず(2016年に加盟)、コソボ代表としてプレーする権利が認められていた。

オーストラリア下部クラブ監督がサウジアラビアへ

オーストラリア・ナショナル・プレミアリーグ(2部相当)のグリーン・ガリーSCは22日、オーストラリア人指揮官アルトゥール・パパス氏(37)がサウジ・プロフェッショナルリーグ(1部)に所属するイティファク・クラブのコーチに就任したことを発表した。

パパス氏は16歳の頃から指導者の勉強を始め、現役引退後の25歳から本格的に監督業を開始した若き指揮官。これまでオーストラリアU-17代表コーチやインドU-23代表、デンポSC(インド)などインド方面で長らく監督を務めた経歴を持つ。

イティファク・クラブは現在リーグ8位。チームを率いるオランダ人指揮官エルコ・シュハトリェ氏(45)は2015年にインド・Iリーグの名門イースト・ベンガルを率いており、今回の人選に繋がったとされる。

ちなみにオーストラリア人がサウジアラビアでコーチ業を行うのは史上初とのこと。日本人はまだ誰も成し遂げていない。

福岡のDFキム・ヒョヌン、中国2部クラブへ移籍

Jリーグ1部(J1)のアビスパ福岡は23日、所属する元韓国U-23代表DFキム・ヒョヌン(25)が中国2部リーグの麗江嘉雲昊へ移籍したことを発表した。

キム・ヒョヌンは184cmの長身CB。2013年に韓国の弘益大学校から直接Jリーグ2部のジェフ千葉へ加入。昨シーズンからアビスパ福岡へ活躍の場を移していた。

キムが新たに加入する麗江嘉雲昊は中国・雲南省麗江市を本拠地とする新興クラブ。新たに2部へ昇格する今シーズンはかつてタイ・プレミアリーグのパタヤ・ユナイテッドなどで指揮を執った経歴を持つ韓国人指揮官リム・ジョンヒョン氏(50)を招聘。着々と強化を進めている。

アル・ファイサリー・ハルマ、イタリア人指揮官を再任

サウジ・プロフェッショナルリーグ(1部)のアル・ファイサリー・ハルマは22日、イタリア人指揮官ジォヴァンニ・ソリナス氏(48)の新監督就任を発表した。

ソリナス氏はイタリアでコーチングライセンスを取得後、主にアフリカのクラブで実績を残していた。2013-14シーズンにはアル・ファイサリー・ハルマの指揮を執っており、今回は約3年振りの復帰となる。

アル・ファイサリー・ハルマは現在、降格ラインに迫るリーグ11位。先日クロアチア人指揮官トミスラフ・イヴコヴィッチ(56)の解任を発表していた。

アル・アハリ・ドバイのブラジル人FW、給料未払いの末に退団

UAE1部リーグのアル・アハリ・ドバイは22日、所属するブラジル人FWリマ(33)の退団を発表した。

リマはPA内での高いゴールセンスが魅力のストライカー。ベンフィカに在籍した2011-12シーズンにはポルトガル1部リーグ得点王を獲得。期待されて2015年に加入したアル・アハリ・ドバイでも貴重な得点源としてゴールを量産していた。

ところが今シーズンは負傷が続いたため、クラブはアル・ダフラFCから元セネガル代表FWマヘテ・ディオップ(28)を獲得。ここ最近のリマは登録メンバーから外れており、海外クラブへの移籍を模索していたという。

各国の報道によると、リマは「3ヶ月間給料未払いの状態が続いていた」とのこと。活躍出来なければ徹底的に干す、中東クラブの”闇の部分”が現れた形となってしまった。

河北華夏、上海上港から元韓国代表DFを獲得

中国スーパーリーグの河北華夏は21日、同リーグの上海上港から元韓国代表DFキム・ジュヨン(28)獲得を発表した。

キムは2015年にFCソウルから上海上港へ加入。以降は上港のアジア枠登録選手としてプレーしていたものの、今シーズンは新たに獲得したウズベキスタン代表MFオディル・アフメドフ(29)の陰に隠れ、登録メンバーから外れていた。

元JリーガーのFWジョジマール、ポートFCへ移籍

タイ・プレミアリーグリーグのポートFCは21日、2部のアーミー・ユナイテッドからブラジル人FWジョジマール(29)獲得を発表した。

ジョジマールはかつてヴァンフォーレ甲府、愛媛FC、東京ヴェルディに在籍した経歴を持つ左利きのストライカー。昨シーズンは2部に降格したアーミー・ユナイテッドで孤軍奮闘。30試合に出場し、リーグ得点ランキング7位の16ゴールを記録していた。

ACL2017展望(東地区編)

いよいよ今月から始まるアジア・チャンピオンズリーグ2017。前回の西地区編に引き続き、今回は東地区の展望についてまとめてみた。

筆者は日本人だが、いつも通り完全にフラットな目線で取り上げた。今回参加する東地区クラブは例年になくバリュエーションに富んだクラブばかり。ぜひご覧ください。

グループE

鹿島アントラーズ
(日本)

ムアントン・ユナイテッド
(タイ)

ブリスベン・ロアー
(オーストラリア)

蔚山現代
(韓国)

<展望>

昨年のFIFAクラブW杯で準優勝に輝いた鹿島アントラーズを他3クラブが追う展開になりそう。
タイ代表の主力選手を揃えたムアントン・ユナイテッド、序盤のコンディション面で優位に立つブリスベン・ロアー、急速にチーム作りを構築させつつある蔚山現代は鹿島から番狂わせを狙いつつ、チーム力を高めながらグループ突破を目指す戦いが予想される。

鹿島アントラーズ

〜レアル・マドリードを追い詰めた日本屈指の名門クラブ〜

昨シーズンのJリーグ王者。クラブ創設時に活躍した元ブラジル代表MFジーコ氏のスピリットを受け継ぎ、これまで実に約20もの国内タイトルを獲得してきた日本を代表する名門クラブだ。

クラブW杯躍進の立役者となった日本代表MF柴崎岳(24)こそ放出したものの、クラブは積極的な補強を敢行。各ポジションに各国の実力選手を獲得し、層は一気に厚くなった。中でも一番の注目は同リーグのアルビレックス新潟から獲得した元ブラジルU-20代表MFレオ・シルバ(31)。Jリーグ屈指の戦術眼を持つ彼の加入で中盤の構成力は格段に高まった。

唯一の懸念はチームを束ねる石井正忠監督(50)のマネジメント力。昨年は主力の日本代表FW金崎夢生(28)と起用法を巡って対立し、話題となった。長いシーズンの中で悪い状態に陥った際、果たして彼は個性豊かな選手達をまとめ上げることが出来るか。悲願のアジア制覇に向けて「クラブ力」が何より試されるシーズンとなるだろう。

ムアントン・ユナイテッド

〜タイのスター選手が集う”赤い悪魔”〜

昨シーズンのタイ・プレミアリーグ王者。長年ブリーラム・ユナイテッドの陰に隠れていたが、近年タイ代表の主力選手を積極的に獲得。一気に絶対的なタイ王者の座に登り詰めた。

元日本U-23代表DF青山直晃(30)、正確な左足を持つDFティーラトン・ブンマタン(27)、”タイのメッシ”ことMFチャナティプ・ソングラシン(23)、タイ人初のスペインリーガーとなったFWティーラシン・デーンダー(28)、ニューカッスル・ユナイテッドに在籍経験のある元スペインU-21代表FWシスコ(30)ら日本でも顔馴染みの選手が多く在籍する一方、昨シーズンのタイ・プレミアリーグ得点王に輝いたブラジル人FWクレイトン・シウバ(30)が先週中国2部リーグの‪上海申鑫‬へ電撃移籍。また主力のタイ代表MFサーラット・ユーイェン(24)もリーグ戦の負傷で全治5〜6ヶ月の診断が下るなど、チーム状況は決して豊かとはいえない。

チームが志向するのは最終ラインから丁寧にパスを繋ぐポゼッションスタイル。全体の意思統一は図れているだけに、アジアの早いプレスに対応出来るかがポイントとなりそうだ。

ブリスベン・ロアー

〜Aリーグ屈指のポゼッションクラブ〜

近年オーストラリア国内で安定した成績を残してきたクラブ。今シーズンはプレーオフでアルゼンチン代表FWカルロス・テベス(33)擁する上海緑地申花を破り、2年振り4回目の本選出場を果たした。

クラブの伝統は現オーストラリア代表監督アンジェ・ポステコグルー氏(51)が植え付けたパスサッカー。ポステコグルー氏在籍時からチームを牽引する元ドイツ代表MFトーマス・ブロイヒ(36)、オーストラリア代表として長らく活躍したMFマット・マッケイ(34)、ブレッド・ホルマン(32)ら経験豊富なベテラン陣を中心にボールを支配し、隙を見てオーストラリア代表MFトミー・オアー(25)が突破を図る。かつてユトレヒトでプレーしたオアーのスピードはアジア屈指。カウンターの急先鋒としても機能しうるだろう。

元札幌のDFジェイド・ノース(36)、成立学園高校を卒業したDFコナー・オトゥール(19)、日系人のMF加藤カレッティ丈(18)ら日本と縁のある選手が多く在籍しており、直前のメンバー登録からは漏れたものの、今月には磐田を退団した元ギリシャ代表DFアヴラアム・パパドプーロス(32)も加わった。日本のサッカーファンにとっては彼らの凱旋も楽しみの一つとなるに違いない。

蔚山現代

〜爆撃機が率いる”蔚山の虎”〜

2012年にACLを制した韓国屈指の伝統クラブ。冠スポンサーの「現代」とは一般的に連想される自動車メーカーではなく、現代グループから独立した現代重工業に由来する。今大会は全北現代の出場停止処分を受け、リーグ4位ながら繰り上げ出場。PK戦までもつれた傑志(香港)との激闘のプレーオフを制して本戦出場を決めた。

今シーズン、クラブは守備的な采配に終始しサポーターから批判を受けたユン・ジョンファン氏(44)に別れを告げ、新たに仁川ユナイテッドで実績を残した「爆撃機」ことキム・ドフン氏(46)を新監督に招聘。攻撃サッカーへ大きく舵を切った。全北現代の処分によりチーム作りのペースが早まったのは痛手だったが、久し振りのアジアの舞台に向けモチベーションは高い。

クラブの核となるのはMFミスラフ・オルシッチ(24)とFWイヴァン・コヴァチェク(28)のクロアチア人コンビ。プレーオフ後に中国の長春亜泰から加わったオルシッチは高い技術とスピードを誇り、左サイドを高い確率で支配するウィンガー。コヴァチェクも188cmの長身ながらサイドでプレーする器用さを持ち合わせており、幅広い攻撃サッカーを信奉するキム・ドフンの意向にマッチした選手と言えるだろう。

蔚山には全北現代からトレードで加わった元韓国代表DFキム・チャンス(31・元柏レイソル)を始め、イ・キジェ(25・元清水エスパルス)、ジョン・ドンホ(26・元横浜F・マリノス、ガイナーレ鳥取)、イ・ミョンジェ(23・元アルビレックス新潟)ら多くの元Jリーガーらが在籍している。日本の攻撃スタイルを熟知している点で「鹿島キラー」となりうるか。

グループF

FCソウル
(韓国)

浦和レッダイヤモンズ
(日本)

ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ
(オーストラリア)

上海上港
(中国)

<展望>

チームカラーが全チームとも赤色に染まった、西地区D組に並ぶ大会屈指の「死の組」。
どのチームもグループ突破の可能性を持つが、現状では”個の力”で他チームをリードする上海上港、”組織の力”で優位に立つ浦和がややリード。だが昨シーズン途中からスタイルを変えつつあるFCソウル、堅実な戦いぶりで数々の番狂わせを演じてきたウェスタン・シドニー・ワンダラーズも実績十分。4チーム間で熾烈な突破争いが繰り広げられるだろう。

FCソウル

〜アンチも多いが強い!韓国の首都クラブ〜

韓国の首都ソウルを本拠とする、Kリーグを代表する強豪クラブ。昨シーズンは監督交代のハプニングに見舞われるも、最終的には全北現代の審判買収問題による勝ち点没収処分が功を奏し、見事4シーズン振りのリーグ優勝。今大会は「韓国王者」として悲願の初優勝を目指す。

昨シーズン途中から指揮を執るファン・ソンホン監督(48)は終盤から1トップの4‐1‐4‐1のシステムを採用。チェ・ヨンス前監督(43)が築き上げた個人技重視の3‐1‐4‐2から脱却し、より組織で得点を狙いに行くスタイルへの転換を図ろうとした。この方針は今シーズンも引き継ぐ意向のようで、中国2部リーグへと旅立ったブラジル人FWアドリアーノ(29)の影響は必ずしも大きくないだろう。

一方で前回大会と比較するとやや攻撃面での爆発力に欠けるのも事実。輝きを取り戻した元韓国代表FWパク・チュヨン(31)、元モンテネグロ代表FWデヤン・ダムヤノヴィッチ(35)らベテラン陣、新加入の元韓国代表FWイ・サンホ(29)、大した実績がなく、「なぜ獲得した」とサポーターから批判が集まったブラジル人MFマウリーニョ(27)らサイドアタッカー陣の連携がグループ突破のカギとなる。

浦和レッドダイヤモンズ

〜”敵も魅了する”日本屈指のビッグクラブ”〜

2007年のACL王者。以降は低迷していたが、近年オーストリア人指揮官ミハイロ・ペトロヴィッチ(59)の元で組織を構築。以前の繁栄とは違った戦い方でかつての勢いを取り戻した。

今シーズンは主力選手を維持したまま世代交代に着手。アルビレックス新潟から加入したブラジル人FWラファエル・シルバ(24)、ジェフ千葉から元日本U-23代表FWオナイウ 阿道(21)ら伸びしろのある若手選手を多く獲得した。シーズン開幕前のプレシーズンマッチでは彼ら新戦力を多く起用。適応に時間を要する「ミシャサッカー」に慣れて欲しい指揮官の意向が働いたとされる。

組織力、個々の技術は申し分ないが、不利な状況に立たされると一気に崩れていくゲームコントロール力の弱さがここ数年のタイトル獲得における大きな障壁となっている。守備の要の日本代表GK西川周作(30)、主将の元日本代表MF阿部勇樹(35)ら経験豊富なベテラン陣、メンタリティの強い日本代表DF遠藤航(24)らがチームを安定させることが出来れば10年振りのアジア王者も見えてくるだろう。

ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ

〜アツいサポーターが支える”元アジア王者”〜

2014年のACL王者。当時からチームを率いるトミー・ポポヴィッチ氏(43)の元、見事2年振りの出場権を手にした。熱狂的なサポーターがいることでも有名なクラブだ。

今オフはオーストラリア代表DFニコライ・トッパースタンリー(32)、スコット・ジェイミーソン(27)、FWマーク・ブリッジ(31)ら主力数人が海外クラブへ旅立った一方で、「コーンフレークス」の愛称で有名な195cmの大型DFロバート・コーンスウェイト(31)、日本人MF楠神順平(29)らアジアで豊富な経験を持つ選手を中心に補強。また登録には間に合わなかったものの、かつて浦和に在籍したオーストラリア代表DFマシュー・スピラノヴィッチ(28)獲得にも着手。他クラブのような莫大な予算がない分、工夫を凝らしてアジアを生き抜くクラブの姿勢が伺える。

チームは先週行われたリーグ戦で19戦負けなしだったシドニーFC相手に1-0で勝利するなど登り調子。伝統の粘り強いディフェンスにリーグ戦16戦9発と好調を維持するオーストラリア人FWブレンダン・サンタラブ(34)が爆発すれば14年以来の「奇跡の優勝」も視野に入るだろう。

上海上港

〜爆買いと育成を両立する上海の規格外クラブ〜

近年目覚ましい発展を見せる中国サッカー界の中で急速に力をつけてきた巨星。ここ数年は国外から大物選手を獲得する戦略に目を奪われがちだが、このクラブ発展の一番の原動力は中国屈指のアカデミーから輩出された中国代表選手達。現在チームで活躍する中国人選手の大部分が自身のアカデミー出身者で構成されており、従来の中国クラブのイメージとは違ったいわゆる「優等生クラブ」の一面を持つ。

とはいえ今冬にチェルシーから移籍金約74億円で獲得したブラジル代表MFオスカル(25)の効果は絶大。抜群のボールコントロールとパスセンスで数々のゴールシーンを演出することが予想される。彼と背番号を10に変更したブラジル代表FWフッキ(30)はチームを率いるポルトガル人指揮官アンドレ・ビラス・ボアス氏(39)の薫陶を受けているため、連携面も問題なし。この2人と中国代表MFウー・レイ(25)、FWエウケソン(27)で構成される攻撃陣はアジア屈指の破壊力を誇る。

その反面、ディフェンス陣は大きく劣ると言わざるをえない。最近になって獲得したポルトガル代表の大ベテランDFリカルド・カルバーリョ(38)は外国人選手枠の関係でACLの登録に入っておらず、同じく新加入のウズベキスタン代表MFオディル・アフメドフ(29)も本職はセントラルMF。躍進にはアカデミー出身の中国人DFフー・ファン(23)、ワン・シェンチャオ(28)ら国内選手の奮闘が必要になるだろう。

グループG

広州恒大淘宝
(中国)

水原三星ブルーウィングス
(韓国)

川崎フロンターレ
(日本)

東方足球隊
(香港)

<展望>

2年振りのアジア王者返り咲きを狙う広州恒大淘宝がグループの中心。水原三星ブルーウィングスと川崎フロンターレは横一線での激しい2位争いが繰り広げられそう。初出場の東方足球隊は積極的な姿勢から虎視眈々とジャイアントキリングを狙う。

広州恒大淘宝

〜新たな一歩を踏み出した”中国No.1クラブ”〜

現在アジアを席巻する中国クラブのパイオニア的存在。中国有数の不動産メーカーである恒大グループに加え、2015年からはFIFAクラブW杯のスポンサーも務める中国電子取引大手アリババグループもスポンサーに就任。莫大な資金力の元、東アジア屈指のビッグクラブとして君臨し続けている。

前回大会はまさかのグループリーグ敗退。挽回に燃える新シーズンだが、今オフの動きは静かだった印象。毎年恒例だった大物外国人選手は獲得せず、大失敗に終わったコロンビア代表FWジャクソン・マルティネス(30)の代わりに登録されたのは2年間”リーグ戦専用外国人選手”として起用されていたブラジル人FWアラン・カルヴァーリョ(27)。負傷で長期離脱中の韓国代表DFキム・ヨングォン(26)の代役も大物アジア枠選手ではなく、全北現代で準レギュラー枠だった元韓国代表DFキム・ヒョンイル(32)、北京人和から元中国代表DFジャン・チェンリン(29)を獲得したのみに留まった。

広州恒大淘宝は先日、「2022年までに国内選手のみでリーグ戦を戦う」趣旨の方針を発表。この発表が今冬の補強に影響しているかはナゾだが、少なくとも彼らが極めて落ち着いたオフを過ごしたのは事実。就任3年目を迎える重鎮ルイス・フェリペ・スコラーリ(68)の元で熟成された”常勝軍団”が更なる進化を遂げてアジアの舞台へ戻ってくる。

水原三星ブルーウィングス

〜復活に燃える韓国の人気クラブ〜

Kリーグ通算4度の優勝を誇る韓国屈指の名門。だが近年はサムスン・グループの子会社に編入された影響で徐々に成績が低下。昨シーズンも降格寸前の状況に追い込まれ、怒ったサポーターがバスを囲む事態に発展。そこから何とか残留の道を引き寄せ、FAカップでFCソウルを下し見事優勝。名門クラブの底力を見せつけた。

今オフは逸材MFクォン・チャンフン(22)がフランスのディジョンへ旅立ったが、後釜としてJリーグのサガン鳥栖から元韓国代表MFキム・ミヌ(26)を獲得。ポジション、利き足共に共通した実力派アタッカーの加入で穴は完全に埋まった。終盤に加入し孤軍奮闘したブラジル人FWジョナタン(26)のサポート役には全南ドラゴンズから元韓国代表FWパク・キドン(28・元FC岐阜)を獲得。ディフェンス陣もシドニーFCから190cmのオーストラリア人DFマシュー・ジャーマン(27)を呼び寄せ、攻守にハイレベルな陣頭が揃った。

課題はここ数年課題とされている負け癖の克服か。かつて京都サンガFCと鹿島アントラーズでプレーした元韓国代表DFイ・ジョンス(37)、バス囲み騒動でサポーター相手に涙ながらに躍進を誓った主将の元韓国代表MFヨム・ギフン(32)らベテラン陣の踏ん張りは必須。若い選手達をサポートし、名門復活の足掛かりを掴みたい。

川崎フロンターレ

〜攻めて攻めまくるスタイルをアジアでも〜

Jリーグ屈指の攻撃力を誇る実力派クラブ。風間八宏氏(55)が長年植え付けた超攻撃的サッカーが機能し、ここ数年は安定してリーグ上位の座をキープ。風間政権”集大成”となった昨シーズンはリーグ優勝こそ逃したものの、年間勝ち点で2位に入る好成績を残した。

名古屋グランパスへと旅立った風間氏の後任にはコーチから昇格した鬼木達氏(42)が就任。前監督のスタイルを継続することが濃厚だ。またアルビレックス新潟から日本国籍を持つ元ニュージーランド代表DFマイケル・ジェームズ(28)、ガンバ大阪から日本人MF阿部浩之(27)、大宮アルディージャから元日本代表MF家長昭博(30)ら即戦力選手を次々と獲得。退団した元日本代表FW大久保嘉人(34)の穴を組織力で埋める意向が現れた形となった。

課題はやはり新戦力と既存の選手達との連携面。前述の大久保に加え、元ブラジルU-21代表DFエドゥアルド(23)、ブラジル人MFエウシーニョ(27)が負傷で序盤戦を欠場する。昨シーズンの躍進を支えた主力選手が戦列を離れる中でいかに険しいアジアの舞台を戦っていけるか。新指揮官の腕の見せ所だ。

東方足球隊

〜さだまさしの弟も在籍した古豪。現在は「亭主関白」ではなく「女性監督」〜

香港プレミアリーグを制し、見事ACL初出場を果たした香港の伝統クラブ。クラブ創立は1932年。1975年には歌手さだまさしさん(64)の実弟である佐田繁理氏(62)が在籍していたことでも知られる。近年は優勝とは無縁の、いわゆる中堅クラブだった。

リーグ優勝の原動力となったのは香港サッカー史上初の女性指揮官として話題を集めた香港人指揮官チャン・ユェンティン氏(28)。香港の複数クラブでコーチを務めた後、2015シーズンに東方足球隊の監督に就任。以降は選手と互いに疑問を解決していく指導方針をベースに東方を常勝集団に育て上げた。

今オフは優勝に貢献したブラジル人DFクレイトン(27・元静岡FC、アンソメット岩手・八幡平)ら主力数人を放出し、中国の天津権建から元香港代表DFン・ワイチウ(35)、香港ペガサスFCからイングランド出身の香港代表FWジェームズ・マッキー(29)ら国内の大物選手を次々と補強。”アジア仕様”のチーム作りに着手した。注目はおそらく監督よりも豊富な経験を持つン・ワイチウ。過去には広州恒大淘宝の前身クラブ「広州香雪」でプレーした経験を持ち、古巣との対戦に胸を躍らせているという。

他クラブと比べて実力差はあるものの、昨シーズンの香港プレミアリーグも番狂わせを演じての優勝だった。若手女性指揮官の元、恐れを知らないチームが再びジャイアントキリングへ向けて動き出す。

※東方足球隊の公式プロモーションビデオ。完成度が非常に高いのでぜひ見て欲しい。

グループH

アデレード・ユナイテッド
(オーストラリア)

江蘇蘇寧
(中国)

済州ユナイテッド
(韓国)

ガンバ大阪
(日本)

<展望>

今大会随一の難組。どのクラブも勝ち点を落としにくいジリジリした展開を余儀なくされるだろう。図抜けたクラブがなく、また各クラブとも課題を残すため、極めて展開が予想しにくいグループとなった。実力的には国内リーグで力をつけつつある江蘇蘇寧が一歩リードか。

アデレード・ユナイテッド

〜リーグ最下位に沈む昨季リーグ王者〜

Aリーグ黎明期に躍進し、2008年には優勝したガンバ大阪に次ぐ準優勝に輝いたクラブ。
昨シーズンのAリーグではレギュラーシーズン/決勝ラウンド共に圧倒的な強さを見せつけ、見事完全優勝。名門復活に向けて高々と狼煙を上げたかに見えた。

ところが王者として挑んだ今シーズンはここまでまさかの最下位。成績も3勝5分12敗と散々な状態だ。先月は主力のオーストラリア代表MFジェームズ・ホランド(27)が中国の遼寧宏運へ移籍。取り急ぎで元韓国代表MFキム・ジェソン(33)を獲得するも、チームを救えるかは未知数だ。

得点力不足も深刻で、かつてガンバ大阪を苦しめた元オーストラリア代表GKユージン・ガレコヴィッチ(35)にも衰えが目立つ。直近のリーグ戦で決勝ゴールのPKを決めた元アルゼンチンU-20代表MFマルセロ・カルスカ(33)、バルセロナの下部組織で育ったスペイン人FWマルセロ・シリオ(31)の一層の奮闘がない限り、予選突破は限りなく難しいだろう。

江蘇蘇寧

〜勢いを増す家電クラブ。”ロジャー”には気をつけろ!〜

昨シーズンの中国スーパーリーグを2位で終え、2年連続出場を果たした中国の新興クラブ。スポンサーが中国屈指の家電小売業「蘇寧電器」に変わって以降は次々と国内外のタレントを釣り上げ、一躍中国のサッカー界の上位グループに躍り出た。

チームを率いるのは昨シーズン途中にFCソウルから電撃移籍した韓国人指揮官チェ・ヨンス氏(43)。個の力を引き出す指導に定評のある彼の元、ブラジル代表MFアレックス・テイシェイラ(27)、コロンビア代表FWロジャー・マルティネス(22)が魅惑のアタッカー陣が次々と襲い掛かる。前回大会は不出場だったロジャー・マルティネスは今大会注目のストライカー。圧倒的な身体能力から繰り出される変幻自在のプレーには要注目だ。

中盤も元ブラジル代表MFラミレス(29)、長年チームの核として活躍する中国代表MFリュー・チャンイェー(29)、MFウー・シー(27)らを中心にまとまりがある。元韓国代表DFホン・ジョンホ(27)以外の最終ライン陣の心もとなさは気になるが、前線の破壊力は抜群。グループHの中心となってもおかしくないだろう。

済州ユナイテッド

〜規格外プレーヤーを多く擁するリゾートクラブ〜

韓国随一のリゾート地として知られる済州島を本拠とするクラブ。昨シーズンはKリーグ1部で3位に入りACLプレーオフ進出の権利を手に入れたが、全北現代の出場権取り消しにより繰り上げ出場。アジアの舞台へは2011年以来6年振りとなる。

今オフは城南FCから韓国人DFパク・チンポ(29)、中国の天津泰達から196cmのオーストラリア人DFアレクサンダー・ヨヴァノヴィッチ(27)、ブラジル・セリエBのアトレチコ・ゴイアニエンセからブラジル人MFマグノ・クルス(28・元セレッソ大阪)ら守備のタレントを積極的に補強。レベルの高いアジアでの戦いに向け、まず守りから入る中堅クラブらしい補強が伺える。

一方攻撃陣は昨シーズン、リーグ戦35試合5ゴール6アシストを挙げ活躍した元韓国代表FWイ・グノ(31・元ジュビロ磐田、ガンバ大阪)が昇格クラブの江原FCへ移籍。クラブは後釜として元日本代表MF増田誓志(31)、城南FCの韓国代表FWファン・ウィジョ(24)獲得に動くも失敗。結局獲得に成功したのは蔚山現代からギニアビサウ代表FWフレデリック・メンディ(28)のみに留まった。

メンディはシンガポールやポルトガルなどで活躍した191cmの長身ストライカー。同じく184cmと長身のブラジル人FWマルセロ・トスカーノ(31)と共に高い身体能力を生かした2トップに注目が集まる。個性的なマスコット(?)にも注目したい。

ガンバ大阪

〜アジア屈指の絶景スタジアムを持つ日本屈指の実力派クラブ〜

2008年のACL王者。その後は2部降格の憂き目に遭うも復活。昨シーズンはリーグを4位で終え、プレーオフを経て見事3年連続の本選出場を果たした。

今オフは日本人MF大森晃太郎(24)、阿部浩之(27)らアタッカーが退団したものの、大黒柱の元日本代表MF遠藤保仁(37)、元日本代表MF今野泰幸(34)、日本代表MF井手口陽介(20)ら中盤の構成力を生かすスタイルへ移行。入れ替えの激しかった守備陣は横浜F・マリノスからブラジル人DFファビオ・アギラール(27)、清水エスパルスから日本人DF三浦弦太(21)を獲得し穴を埋めた。アジアでの経験不足は気になるが、ポテンシャルは十分だ。

課題は絶対的ストライカーの不足か。アジアで飛躍するには元々チャンスメイカー的な役割を得意とする元ブラジルU-23代表FWアデミウソン(23)の相棒となるストライカーが必要になるだろう。獲得が噂されるブラジル人FWドウグラス(29)は適任だと思うが..