シンガポール代表MFハリス・ハルン、ホーム・ユナイテッドへ電撃移籍

シンガポールメディア「Today Sport」は10日、マレーシア・スーパーリーグのジョホール・ダルル・タクジムFCに所属するシンガポール代表MFハリス・ハルン(26)がSリーグのホーム・ユナイテッドへ移籍したことを発表した。契約期間は6月までの3ヶ月。欧州移籍市場が開くまでの短期ローン移籍とのこと。

ハリス・ハルンは様々なポジションを高いレベルでこなせるマルチプレイヤー。今オフは所属するジョホール・ダルル・タクジムの「より高いレベルで彼をプレーささせたい」との意向から、日本や欧州で移籍先を模索。紆余曲折の末、先月にスペイン3部のセントラ・ダスポルツ・ルスピタレートへのローン移籍が決定していた。(当時の記事がこちら)

ところが今回、セントラ側が納税義務を怠っていたことが発覚。この問題が解決されるまでクラブは新たな選手を獲得することは出来ず、結局ハリスはその問題が解決される6月末まで移籍が先延ばしされることに。ジョホール側も既に外国人登録枠を埋めていたことから、急遽受け入れ先としてシンガポールSリーグの名門ホーム・ユナイテッドに白羽の矢が立ったという。

ホーム・ユナイテッドはSリーグ通算2度の優勝を誇る名門クラブ。今オフはタイ1部のアーミー・ユナイテッドに所属していたシンガポール代表GKハッサン・サニー(32)、同リーグのタンピネス・ローヴァーズからシンガポール代表DFアフィク・ユニス(26)、MFイズディン・シャーフィク(26)、ヤング・ライオンズからクリストファー・ヴァン・フイゼン(24)、ホーガン・ユナイテッドからクロアチア人FWスティッペ・プラジバット(27・元FC岐阜)ら実力選手を多く獲得。リーグとAFCカップ制覇に向け補強を進めていた。

広告

シンガポール代表MFがスペイン3部へ移籍

マレーシア・スーパーリーグのジョホール・ダルル・タクジムFCは2日、所属するシンガポール代表MFハリス・ハルン(26)がスペイン3部リーグの‪セントラ・ダスポルツ・ルスピタレート‬へ移籍したことを発表した。

ハリス・ハルンは最終ラインから前線まで幅広いポジションをこなすマルチプレーヤー。今冬はJDT側から「日本かポルトガルのクラブへローン移籍させる」とのアナウンスがされていたが、なかなか買い手がつかなかった模様。柴崎選手と同じスペインの地でステップアップなるか。

ガンバ大阪へ!ジョホール・ダルル・タクジムFC徹底講座

2/7に行われるACLプレーオフ。日本勢で唯一参加するガンバ大阪はバンコク・ユナイテッドとの予選第1戦に勝利したマレーシア・スーパーリーグ王者ジョホール・ダルル・タクジムFCと対戦する。
そこで今回は「ジョホール・ダルル・タクジム講座」と題し、クラブの歴史から今オフの補強動向、知っても知らなくてもいいマニアックな情報などを集めてみた。

①ジョホール・ダルル・タクジムFCとは?

~ジョホール州を本拠とする「東南アジア屈指のお金持ちクラブ」~

ジョホール・ダルル・タクジムFC(以下JDT)は1972年に創立。その名の通り、日本代表が史上初めてW杯出場を決めた「ジョホールバルの歓喜」で有名なジョホール州をホームタウンとして活動しているクラブだ。彼らは当初”ジョホールFA”という名で活動していたが、2012年から現在のクラブ名に変更。以後ジョホール州の皇太子を務めるトゥンク・イスマイル氏(32)の元、国内外の大物選手獲得や新スタジアムの建設計画、J1の北海道コンサドーレ札幌との業務提携など、国内外に向けて積極果敢なクラブ運営を展開している。

(昨年建設計画が発表されたJDTの新スタジアム)

②近年の成績は?

~マレーシア・スーパーリーグ3連覇中。AFCカップも優勝経験あり~

JDTは2014シーズンから現在までマレーシア・スーパーリーグ3連覇中。2015年にはAFCカップを制したことで名実ともにアジアでも知られるクラブとなった。昨シーズンはACLプレーオフ1stラウンドでタイの強豪ムアントン・ユナイテッドと対戦し敗退。AFCカップでは準決勝でインド・Iリーグの強豪ベンガルールFCに敗れたものの、リーグ戦では着実に勝ち点を積み重ね見事優勝。ACLプレーオフ出場権を手にした。

(3連覇を果たした際の祝賀セレモニーの様子。ド派手な演出が目に付く)

③今オフの動きは?

~ベテランとエースを放出し、有望な若手選手を大量獲得~

今オフのJDTの市場での動きは活発だった。まず主将としてチームを支えてきたマレーシア代表FWアムリ・ヤヒア(36)をマラッカ・ユナイテッドへ、マレーシアを代表するストライカーとして有名なFWサフィー・サリー(33)をPKNS FCへそれぞれ放出。そして昨シーズン、スーパーリーグ得点王に輝いたアルゼンチン人FWホルヘ・ぺレイラ・ディアス(26)も「サラリーの過剰な引き上げを要求した」との理由でメキシコのクラブへ売却。世代交代やクラブの規律を守る意味で主力を大量に放出した。

一方で補強選手はセランゴールFAからマレーシア代表の逸材FWシャフルル・アズワリ(23)、ハズワン・バクリ(25)、アルゼンチン1部リーグのインディペンディエンテから元アルゼンチンU-17代表FWブライアン・フェレイラ(22)ら若手選手が中心。中長期的なチームの成長を見越した補強が目立った。

④キャンプ~プレーオフ初戦までの流れは?

~キャンプ中盤で監督を電撃解任。セカンドチームの監督が急遽指揮を執る事態に~

JDTはプレーオフ初戦の開催地タイでキャンプを実施するも、トレーニングマッチで全く勝利出来ない日々が続く。焦ったクラブはなんとリーグ3連覇達成に貢献したアルゼンチン人指揮官マリオ・ゴメス氏(59)を解任してしまう。後任にはセカンドチームを率いていたメキシコ人指揮官ベンジャミン・モラ氏(38)が就任。プレーオフ勝利に導いたものの、選手達はマークの受け渡しミスや不用意なパスミスを連発。決して内容あるサッカーで勝利したとは言い難かった。

➄ガンバが警戒すべき注目選手は?

新加入選手との連携や戦術面に難があるため、現在のJDTは「マレーシア3連覇中の強豪」という面影がやや薄くなっている。とはいえクラブには東南アジア屈指の選手がゾロゾロ。ここではガンバが警戒すべき選手を6名紹介する。


ファリザル・マリアス(Mohd Farizal Marlias)

国籍:マレーシア
ポジション:GK

年齢:30

”安定感のある「南野似さわやかイケメンGK」”

身長179cmと小柄ながら広い守備範囲を持ち、安定感のあるマレーシア代表GK。プレーオフ初戦のバンコク・ユナイテッド戦では相手の猛攻に耐え、PK戦でも好セーブを見せMVP級の活躍を見せた。


<ガンバの皆さんへ>

状況によってはピッチに横たわり時間を使うベテランならではの狡猾さも兼ね備えており、競った展開で終盤までもつれ込むと非常にイライラするタイプの選手。ただふんわり分けた髪型とややはにかんだ笑顔が元セレッソ大阪の南野拓実選手に似ている(と個人的に思っている)ため、ガンバの選手・サポーターのゴールへ向かう闘争心は増すのではないかと思われる。


マルコス・アントニオ(Marcos Antônio)

国籍:ブラジル
ポジション:DF

年齢:33

”圧倒的な高さが自慢のセンターバック”

ルーマニアのラピド・ブカレストやドイツニュルンベルグといった欧州の様々なクラブでプレーしたベテランCB。187cmの長身から繰り出されるヘディングは強烈で、空中戦は無類の強さを誇る。ベテランらしい読みを生かしたボールハントも魅力の選手だ。


<ガンバの皆さんへ>

フィジカルが滅法強く、彼を相手に背負ってプレーするはなかなか難しいのではないか。半面バンコク・ユナイテッドのブラジル人FWジウベルト・マセナ(32)のようなアジリティを活かしたストライカーに対しては手を焼いていた印象。当日はアデミウソンが1トップに入るケースが有効か。また頻繁にターゲットとなるセットプレーでは新加入のDFファビオがしっかりマークしておく必要があるだろう。



サフィク・ラヒム(Safiq Rahim)

国籍:マレーシア
ポジション:MF

年齢:29

”運動量豊富な中盤のダイナモ”

チームの主将を務める運動量豊富なボランチ。プレーオフ初戦のバンコク・ユナイテッド戦では主にディフェンスと前線との橋渡し役を担っていたが、延長にゴール前へ走り込み先制ゴールを記録。ここぞの場面で顔を出す戦術眼には要警戒だ。

<ガンバの皆さんへ>

彼がJDTの中心と言っても過言ではないだろう。封じるカギはとにかく彼を走らせること。寒さに慣れない前半のうちに彼の体力を消耗させることが出来たならば、JDTは間延びした展開が多くなることが予想される。冷静にボールを散らせられる遠藤保仁選手の腕の見せ所だ。


ゴンサーロ・カブレラ(Gonzalo Cabrera)

国籍:アルゼンチン
ポジション:MF

年齢:28

”得点感覚に優れるアタッカー”

今シーズン、サウジアラビア1部リーグのアル・ファイサリーFCから加入した攻撃的MF。一昨年にプレーしたルーマニア1部、FCボトシャニではリーグ得点ランキング9位の10ゴールを挙げ活躍した。

<ガンバの皆さんへ>
キープ力のあるFWが少ないジョホールでは中盤やや下り目の位置でボールを受け、そこからドリブルで攻撃のリズムを作る動きがメイン。機動力を生かした突破に定評があるため、ガンバとしては早めに彼の動きに慣れておく必要がある。特に対峙するシーンが多いであろう井手口選手には早い時間帯にカードを貰わないよう注意したい。
ただ彼は俗に言う「スーパーな選手」ではない。しっかり人数をかけて封じることが出来れば、自然とイライラして自滅するだろう。



ブライアン・フェレイラ(Brian Ferreira)

国籍:アルゼンチン/イラク
ポジション:MF

年齢:22

”かつて日本を震え上がらせた驚異のロングシューター”

今シーズン、JDTが獲得した選手の中で最も期待されている若きストライカー。アルゼンチンU-17代表に選出された経歴を持ち、2011年に行われたFIFA U-17W杯メキシコ大会にアルゼンチン代表の10番として出場。予選リーグの日本戦では1-3と敗れはしたものの、後半にハーフウェイラインから超絶ロングシュートを決めたことで一躍有名になった。イラクのパスポートを持っているためアジア枠選手として登録されている。


<ガンバの皆さんへ>

彼の持ち味はドリブル。自ら抜きにかかるのではなく、相手DFの重心の逆をつきスルスルとかわしていくシーンが多かった。ガンバのDF陣としてはむやみに飛び込まないことが大事だが、待ってていてはパンチ力のあるシュートを打たれてしまう。難しい対応が要求されるだろう。

 

ナズミ・ファイズ(Nazmi Faiz)

国籍:マレーシア
ポジション:MF

年齢:22

”ガンバ移籍の噂も浮上した逸材アタッカー”

今シーズン、ライバルのセランゴールFAから加入した若き攻撃的MF。果敢にチャレンジするドリブル突破で相手ディフェンス陣を脅かすのが得意。武者修行させたいクラブの意向から今冬は千葉のトライアルに参加するも加入には至らず。その過程でなぜか「ガンバヘ移籍するのでは?」との噂が一時期マレーシア国内で巻き起こった。


<ガンバの皆さんへ>

現時点で監督からは途中出場でチームの流れを変える動きが求められている。鋭いドリブル突破は迫力こそないものの、タイ代表MFチャナティップ・ソングラシンに通じる「嫌らしさ」がある。ガンバとしては早めに勝負を決め、終盤に彼を危険な位置に侵入させないよう心掛けたい。

 ⑥その他

その他、ガンバにとって有益な情報を載せておく。

  1. JDTは2/4にケランタンFAとリーグ戦を行った後、中2日でガンバと対戦する。日程的にハードな上、慣れない日本での寒さに苦戦することが予想される
    ※JDTの負担を減らすため、マレーシア・スーパーリーグ側がケランタン戦の延期を決定。JDTは2/4に大阪に向け出発しているとのこと。
  2. バンコク・ユナイテッド戦でスーパーサブとして活躍したアルゼンチン人FWジェロニモ・バラレス(30)が退場によりガンバ戦を欠場する。186cmの長身ストライカーの欠場はJDTにとって大きな痛手。バンコク戦とは異なった試合展開を余儀なくされるだろう。

試合は2/7(火) 、吹田スタジアムにて19:00キックオフ。ガンバサポーターはもちろんのこと、アジアのサッカーに興味のある方もぜひスタジアムに足を運んでみてはいかがだろうか。