「UAE代表講座」〜今のうちから相手を知って万全な体制で応援しよう!〜

3/24(金)に行われるW杯アジア最終予選、UAE代表vs日本代表。お互いのメンバーが発表され、いよいよ代表ムードに突入すると思われるこの時期だが、対戦相手のUAE代表は今どのような状況に置かれているのか、どんなメンバーが日本に挑むのか。警戒すべき選手は誰なのか、これまでうやむやだった「UAE代表の姿」を理解し万全の知識を持って試合に挑むために、彼らの状況を今一度整理しておきたい。

UAE代表のここまでの戦い振りは?

      日本 1-2 UAE
    (得点者:アーメド・ハリル×2)
    UAE 0-1 オーストラリア
      UAE 3-1 タイ
    (得点者:アリ・マブフート×2,アーメド・ハリル)
    サウジアラビア 3-0 UAE
      UAE 2-0 イラク
    (得点者:アーメド・ハリル,イスマイル・マタル)

3勝2敗 (グループ4位)

アウェイ日本戦で大金星を挙げたUAE代表だったが、続くホームのオーストラリア戦で痛い敗戦。その後タイ戦で勝利するも、アウェイに乗り込んだサウジアラビアとの一戦で0-3と完敗してしまう。この敗戦はUAE国民の逆鱗に触れたようで、すぐさまメフディ・アリ監督(51)解任の噂がメディアを通じて流れたほどであった。

背水の陣として挑んだホームのイラク戦で勝利したものの、グループ4位は変わらず、いわば「首の皮一枚繋がった状態」。24日は日本にとっても”絶対に負けられない戦い”だが、UAEにとってはグループ生き残りをかけた、”絶対に、絶対に負けられない戦い”なのだ。

今回のUAE代表のメンバーは?

そんなUAE代表のメンバーはこちら。特筆すべきは2012年にロンドン五輪に出場したUAE代表19名のうち実に13名が選ばれている点。この世代は”UAE黄金世代”と呼ばれ、ユース年代からアジアにその名を轟かせていた。当時からロンドン五輪、そして現代表をメフディ・アリ氏が率いており、まさに「一貫指導体制」を貫いているといえる。

その他UAEを代表する名門クラブ、アル・アハリ・ドバイから8名、アル・アインから6名、アル・ジャジーラから5名が選出されている。

警戒すべき選手は?

もうおなじみかもしれないが、UAE代表の警戒すべき選手を7人挙げてみた。

イスマイル・アハマド(Ismail Ahmed)

ポジション:DF
年齢:33
所属:アル・アイン

UAE代表の守備陣を統率するベテランのセンターバック。生まれはモロッコで、2008年にアル・アインに加入。4年後の12年にUAEに帰化し、以降代表チームになくてはならない守備の柱として活躍している。

彼の最大の武器は191cmの長身を生かしたエアバトル。惜しくも準優勝に終わった昨シーズンのACL決勝では全北現代の”進撃の巨人”こと韓国代表FWキム・シンウク(197cm)と最後まで互角の強さを見せた。

圧倒的な高さに加え北アフリカ出身らしい足元の技術も兼ね備えるが、アジリティの低さが欠点。日本としては香川選手や原口選手ら機動力のある選手をPA内に侵入させ「ミスマッチ」を起こせば得点のチャンスはグッと高まるだろう。一方セットプレーではターゲットにされることが多い。吉田選手を中心に良いタイミングで合わせられないよう気をつけたい。

アメル・アブドゥルラフマン(Amer Abdulrahman)

ポジション:MF
年齢:27
所属:アル・アイン

UAE屈指のプレーメーカー。自陣深くでボールを受け、長短のパスで攻撃にアクセントをつけるUAE代表の”影の主役”的存在。

昨年の日本戦では守備的MFの位置に入り、守備陣と攻撃陣の橋渡し役として大活躍。その後は負傷に苦しんだものの、現在は回復。所属先のアル・アインで本来のプレーを取り戻しつつある。出場すれば厄介な選手になること間違いなし。個人的には高萩洋次郎選手との「プレーメーカー」対決が見たい。

アメルは3月20日、代表合宿中の負傷により代表メンバーから離脱することが発表されました。(記事はこちら)

オマール・アブドゥルラフマン(Omar Abdulrahman)

ポジション:MF
年齢:25
所属:アル・アイン

今やアジアを代表する選手に成長したUAEサッカー界屈指のファンタジスタ。独創的なパスや奇想天外なテクニックを駆使し、”UAE黄金世代”の中心選手として攻撃陣を牽引する。

ここ最近のオマールは所属先のアル・アインでFWとして起用される機会が増えた。試合を通してのパフォーマンスには未だにムラがあるものの、実質的な「0トップ」としてプレーの幅を広げつつある。開催地のハッザーア・ビン・ザーイド・スタジアムはデビュー時から慣れ親しんだ場。日本としては国際経験豊富な長谷部選手、山口選手が試合を通して目を光らせ、彼のペースに持ち込ませないように心掛けたい。

ムハンマド・アブドゥルラフマン(Mohammed Abdulrahman)

ポジション:MF
年齢:28
所属:アル・アイン

前述したオマールの実兄。弟ほどの派手さはなく、むしろ豊富な運動量を生かしたプレーを持ち味とする”労働者タイプ”のマルチプレーヤー。途中出場が予想される代表チームでは攻撃のアクセントをつけるジョーカー的な役割として期待されている。「オマールの兄」というイメージで安易に対峙すると痛い目に遭うだろう。

アリ・マブフート(Ali Mabkhout)

ポジション:FW
年齢:26
所属:アル・ジャジーラ

抜群の得点感覚を誇るUAE代表の得点源。左サイドから裏へ抜け出すプレーが得意で、体幹の強さが一目でわかる走り方からあのクリスティアーノ・ロナウドを連想させる。

近年は所属するアル・ジャジーラでそのゴールセンスを爆発させており、昨シーズンはリーグ戦23試合23ゴール、今シーズンは20試合で驚愕の26ゴールを記録中。国内リーグでは圧倒的な成績を残す一方、ACLや高いレベルの代表戦では本来のパフォーマンスをなかなか発揮出来ない状態が続く。ユース年代から”黄金世代”の盟友オマールから何度もゴールを奪ってきたその才能を発揮出来るか。日本としてはマークの受け渡しを徹底し、サイドから中央に侵入する好みのプレーを消したいところだ。

アーメド・ハリル(Ahmed Khalil)

ポジション:FW
年齢:25
所属:アル・アハリ・ドバイ

昨年行われた日本戦で直接FKとPKで2ゴールを決めた「日本キラー」。今シーズンもアル・アハリ・ドバイで主将として活躍中(17試合12ゴール)だが、今月UAEメディアからライバルクラブのアル・ジャジーラへ年俸1600万UAEディルハム(約5億円)、4年契約で移籍することが報じられた。オマールと並ぶ”UAE黄金世代”の代表的選手であり、10代の頃から活躍するUAE代表の絶対的ストライカー。

右足からのキックは強烈で、遠距離からでもゴールを狙える威力を誇る。また日本ディフェンス陣が1番嫌がるとされるフィジカルを生かしたゴリゴリドリブルも武器。日本としては(距離を問わず)とにかくフリーでシュートを打たさないことが大事。強靭なフィジカルを持つ一方、どういう訳かペナルティエリア内では”極端に倒れやすい”特徴にも注意を払いたい。

※ハリルだが、ここ1ヶ月は怪我で戦列を離れている時間が多かったらしい。今回も招集メンバーに名を連ねているものの、本来のパフォーマンスとは程遠い出来な可能性が予想される。

イスマイル・マタル(Ismail Matar)

ポジション:FW
年齢:33
所属:アル・ワフダ・アブダビ

UAEサッカー界のレジェンド。2003年にUAEで開催されたFIFAワールドユース(現FIFA U-20W杯)に出場し、見事ベスト8入賞、大会MVPを獲得。当時少年だった”UAE黄金世代”の面々に「UAE人でも世界で通用出来る”ことを実証してみせた代表的プレーヤーであり、33歳になった現在もUAE国民から絶大な人気を誇る。

近年はパッとした成績を残せずにいたが、2015年にメキシコ人指揮官ハビエル・アギーレ氏(58)が所属するアル・ワフダの監督に就任した辺りからパフォーマンスが復調。昨シーズンは10番、主将としてフルシーズンを戦い、リーグ3位/ACL出場に貢献した。

かつてほどの凄みはないものの、彼が代表に選出された際はオマールが10番を譲るほど代表メンバーに与える影響は絶大。後半終盤に投入されるとスタジアム全体のボルテージが最高潮に達することも予想されるため、日本としては彼が投入される前に試合を決めたい。

日本代表の戦い方は?

欧州組が中心となるであろう日本代表のスタメンは時差ボケがなく、割と良好なコンディションで試合に臨めると予想。勝利が絶対条件のUAEは積極的に攻めてくる可能性が高いため、ハリルとマブフートの一発に気を付けつつ、落ち着いてボールを回すことが出来れば勝機は十分あるはずだ。ただやはりオマールは要警戒。得点パターンの多くを経由する彼をいかに封じられるか、ボランチ2人の力が試される一戦となるだろう。

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